事業計画

理想のお客様像を考えるペルソナ設計

ペルソナ設計

あなたの商品・サービスを購入してくれるのは、どんな人でしょうか?
どんな人に喜ばれる商品を提供したいですか?

自分のビジネスにとってのお客様像を「ペルソナ」と言います。

商品やサービスの設計、告知・宣伝、あらゆる場面でとても役立つ指標になりますので、早めの段階でしっかり考えを固めておきましょう。

女性の起業に必要なペルソナとは

ペルソナとは、自分の商品やサービスを購入する人物の「モデルケース」のことです。

一般的な企業や商品のペルソナは、市場調査やユーザーアンケートなどを元にゼロから考えていくことも多いのですが、女性起業家さんの場合におすすめしたいのは、友人や知人をモデルケースとしてしまうこと。

特に、困り事や悩みを解決するために商品やサービスをリリースしたいと思っている方は、実際に困っていた昔の自分自身でも良いですし、同じ悩みを抱えている友達でもok。
女性は共感力が高いので、実際に存在する人物を「ペルソナ」に設定することで、グンと説得力のある宣伝ができたり、喜ばれる商品を作ることができたりします。

ペルソナの設定項目

そこまで!?というくらい、細かく設定するのが大切。

名前や年齢はもちろん、イメージイラストや顔写真も選んでおくと、訴求力の高い商品が作れますし、宣伝のときにも楽です。

ペルソナの設定項目

年齢、性別、住んでいる場所
仕事(仕事内容、役職)
生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間、就寝時間、外食派or自炊派)
最終学歴
価値観、物の考え方
今課題と感じていることやチャレンジしたいこと
恋人・配偶者の有無、家族構成
人間関係
収入、貯蓄性向
趣味や興味の対象
インターネット利用状況 利用時間、所持しているデバイス

上記は一般的な設定項目ですが、さらにあなたの商品やサービスにつながる悩みや、こだわりなどを自由にプラスしてください。

ペルソナの設定例

ペルソナ

  • 名前:佐々木幸子(ささきさちこ) 女性 東京都品川区在住
  • 現在は専業主婦。文系大学卒業後、出産までIT企業で事務職をしていた。
  • 外資系IT企業勤務の夫、1歳2ヶ月の息子の3人ぐらし。
  • 起床はAM6:00。夫のお弁当を作って送り出し、午前中は息子と公園や児童館で過ごすことが多い。
  • PM8:00には子どもを寝かしつけて、夫と晩酌をしながらゆっくり過ごすのが日々の楽しみ。
  • 世帯年収1,200万円、タワーマンション中層階在住。持ち家。夫は育児にも協力的。
  • ママ友は多く、子どもを連れてみんなでランチに出かけることも多い。
  • 料理やお菓子作りが好きで、得意。おしゃべりも好きで、持ち寄りパーティーも大好き。
  • iphone、ipadを所有。子どものお昼寝時間や、眠る前の数十分で雑誌を見たり、新しいレシピを検索したりするのに活用している。
  • 子ども中心の生活に不満はないけれど、時々今後について「このままで良いのかな?」と漠然とした不安を感じる。
  • いつかは子供を大切にしながらも、自分を中心に充実した人生を送ってみたいと憧れている。

写真はフリー素材、内容もすべてフィクションですが、これくらいまで細かく設定すると、実在の人物のような気がしてきませんか?
リアリティがあると、どんな商品が喜ばれるか、どんな媒体にどんな訴求で宣伝をすれば効果的なのかが、自然にわかってきます。

写真があることで、迷ったときにもぱっと顔が浮かんで、この人に喜ばれるには…と考えることができるようになります。

ペルソナを活用するには

ペルソナはビジネスのあらゆる場面で活躍します。

たとえば、価格設定
世帯年収300万円の家庭の主婦と、世帯年収1200万円の家庭の主婦では、自由にできる金額に差があるのは当然です。
毎月2000円のお小遣いでやりくりしている主婦に、5,000円のサロンをアピールしてもほとんど売れませんが、毎月5万円のお小遣いを自由に使っている人なら、気にせずに払える金額になってきます。
価格設定が変われば、商品やサービスの内容も自然に変わってきます

宣伝手段にも関わってきます。
スマホやタブレットを持っているのか、パソコンでネットを見るのか、何時頃にどの媒体をみているのかによって、広告を出すタイミングや媒体も変わってきます。細かく言うと、宣伝文の作り方や、告知サイト・ブログの作り方も変わってきますね。

また、上記のペルソナは「おしゃべり大好き」と社交的な女性なので、ワークショップなどでワイワイと楽しいサロンが喜ばれそうですが、逆に「もくもくと作業をすることが好き」なペルソナであれば、講座形式にしてじっくり手元の作業に向き合うほうが、喜ばれるかもしれません。

ターゲットを絞りすぎでは?

この話を聞いて、「もっとたくさんの人に来て欲しいんだけど…」と考えませんでしたか?

たとえば、あなたが道を歩いていて「みなさ~ん」と呼びかけている人に出会ったときと、「〇〇さん!」と声をかけられた時、どちらに反応しますか?
おそらく、大多数の人が「みなさ~ん」の呼びかけには、足も止めません。
逆に、名前を呼ばれて立ち止まらない人も、ほとんどいませんよね。

学生時代を思い出しても、30人の教室で話している先生の授業と、マンツーマンで目の前にいる家庭教師の話、どちらが真面目に聞くかというのも同じです。

人は「自分に話しかけられている」と思わない限り、きちんと耳を傾けないものなのです。

たとえば、隣の席の人に、何かのセミナー講師が「Aさん、あなたのビジネスにはやっぱりブログが絶対に必要だから。大変かもしれないけど書いたほうがいいよ」と語りかけていたとします。
Aさんは、絶対真剣に聞きますし、おそらくブログの開設を決意しますよね。

一方、隣に座っているあなたは、なんとなく耳をそばだてて聞いてしまうことって、ありませんか?
さらに「Aさんに必要なら、私にも必要かも…」とブログの開設をひそかに考え始めてしまうような気がしませんか?

これが、ペルソナの面白いところです。

誰か一人に対するピンポイントの真剣なメッセージは、ちょっと外側にいる人にも確実に刺さります

たった一人を動かせないメッセージ、商品、サービスは、誰一人として動かすことが出来ないのです。
一人が動けば、そこから口コミも広まりますし、いずれ多くの人が動くようになっていきます。

だから、ぜひ、安心してぎゅーっとターゲットを絞ってください

ペルソナは必要に応じてアップデートする

ペルソナを設定して事業を始めても、特に起業したばかりの頃は、実際にお客様と接してみると「ちょっとペルソナとは違うタイプの人に喜ばれているかも?」なんていうこともよくあります。

また、1年、2年と経っていけば時代背景も少しずつ変わっていきますし、自分自身のスキルがアップしていったりして、「ちょっと、今目指すお客様像とは違うかも?」と感じることも出てきます。

ペルソナがずれているかも?と感じたときは、随時アップデートしてOKです。
その際に、お客様からいただくアンケートがとても参考になりますので、可能な限り積極的にアンケートは活用していきましょう。

まとめ:ペルソナ設計はあらゆる計画の基本になる

ペルソナは講座やサロンの内容を計画するところから、価格や宣伝方法にいたるまで、あらゆるポイントで「指標」となる存在です。

きちんとペルソナを設定しておくことで、ブレのない、筋の通った運営ができるようになりますので、しっかりと時間をかけて考えておいてください。

  • この記事を書いた人

ゆり

起業3年目のフリーランスママ。 M-coto株式会社でママ講師さんたちの活躍をサポート中。 ママかつ認定講師養成講座講師。 小学生から幼稚園までの3児の母で、元薬剤師でありながら、WEBマーケター、ライター、セミナー講師などとして、子供との時間を第一にしながら働いています。

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